クリスマス

クリスマスは年末も近い事もあり、街も華やぎ心浮かれる時期ですね。コロナ禍で2020-21年はかなり縮小ムードで家で過ごす方も多いと思います。キリスト教徒が多く住む欧米では個人の家にも素敵な飾りつけが施されます。代表的なクリスマス飾りのご紹介と使われる色などについてご紹介します。

クリスマス飾り

クリスマス飾り リース

リース 机に置くタイプ キャンドルを付ける事が多いです。

ドアリース 玄関や壁などにかけるタイプ。

スワッグ ハーブやコニファー、木の実やドライフラワーなど束ねて吊るす飾りです。

ガーランド 階段の手すり、玄関のフレームなど細長い飾りです。

センターピース 大きなメインのダイニングテーブルに飾ります。キャンドルを灯すととても素敵!

フェストゥーン ガーランドと似ていますが、両脇にリボンや下部が広がった飾りが付きます。伝統的な教会など大きな場所で見られます。

リースは永遠を意味し、始まりと終わりがありません。なのである意味初心者の方にもとても作りやすいアイテムです。センターピースは小さい物から細長くゴージャスな物までデザインもご自分の好みのタイプにできますので、毎年作るのがとても楽しみです。皆さんはどんなクリスマス飾りご用意なさいますか?毎年体験レッスンしていますので、ご参加ください!

 

クリスマスでよく使われる色

クリスマスとはベツレヘム(今のイスラエル)の馬小屋で聖母マリアから生まれたイエスの誕生日です。クリスマス飾りに必ず使われる色はこちらです。

 永遠を願い、クリスマス飾りでは常緑樹が一般的に使われます。

 神聖さ 白いキャンドルやシルバーダストなどの白い葉、ユーカリの実やクリスマスボールなども。

 愛情 キリストの流した血の色の意味もあります。

ゴールド ベツレヘムの星 東の空に光る星 キリストの誕生の印

シルバーなど光る物も華やかな雰囲気になりますので今の時期は自由に使ってよいと思います。

ドイツ地方で発祥したクリスマスツリーにはたいていモミなどの常緑樹が使用されます。これは冬の時期でも葉が絶えず永遠を表す物とされています。あのトゲトゲの葉、ヒイラギも常緑樹です。この葉の棘はキリストの受難を表し、赤の実はキリストの流した血をあらわすともされています。そして白は純潔さ、潔白さを表し、金は3人の賢者に神が東の空の彗星をもってキリストの場所を伝えたという事を意味しているようです。

紀元前のヨーロッパにおいてのこの時期は冬至、すなわち日中の日が一番短くなりこの日を境にだんだん春の訪れを感じられる季節にあたりました。そんなことからも緑、赤は春の到来を告げる色とも言われているようです。

クリスマスアレンジメント ゴールドのキャンドル
このほかに紫色もクリスマスに関係しています。この色はアドヴェント待降節のキャンドルに用いられる色となります。モミの木でできたクランツ(リース)に4本のろうそくをたて、クリスマス4週間前の日曜日から、日曜日が来るたびにろうそくに火を灯してゆきます。色々と説はあるのですが、4本のキャンドルのうち一本だけをクリスマスカラーの1つにしたり(緑、赤、白、金のいずれか)、又はローズ系の色を用いたりする時もあります。この一本の意味は羊飼いたちに神の仕えがキリストの降誕を告げた時の喜びを表すともされています。

 

遠い昔のクリスマス -Christmasのお話し-

イエスキリストの誕生日ですが、日本人である私たちも年末の時期と重なりちょっと心うきうきするシーズン。欧米では長い休暇を取り 家族で過ごす大事な時期です。1ヵ月前からドライフルーツやナッツが沢山入った ケーキを焼き、クリスマス4週間前の日曜日にあたる11月末のアドベントの時期にモミの木を買いに行き飾りつけを施し 家の外やあるいはリビングに飾ります。今でも印象に残っているイルミネーションは、 ナッシュビルにあったエルビス・ブレスリーの庭、NYのロックフェラーセンター前 のスケートリンクを見下ろす大きなツリー、香港ネイザンロードとペニンシュラ前のライトアップ…とても懐かしい思い出です。

クリスマスの習慣は4000年もの歴史とか。今受け継がれている習慣のほとんどは キリスト生誕の100年前くらいから続いているもの。これってどういうこと? クリスマスの12日間、暖かい火、クリスマス前夜に炉にたく大薪、贈り物、パレード、 家家を回りクリスマスソングを歌う聖歌隊、家族が集い数々のご馳走を囲み、教会でのミサなど 数えればきりがありませんがこれらすべてはメソポタミアン文明時代から発祥してきたものだったようです。


メソポタミアン文明時代にはクリスマスは新年にあたりもっとも大事な日であったようです。 彼らは色々な神の存在を信じ、Mardukという父なる神が冬の到来において無秩序なモンスター (多分悪霊など...)と戦い、そのMardukの戦いを応援するために人々は新年のお祭りを興し12日間お祝いを続けたとの事です。このことをZagmukといいます。

メソポタミアンの王は年の暮れに死にMardukの悪霊との戦いに参加するために父なる神の神殿に戻るとされ、王は神に忠誠を誓うのでした。王が不在の間、人々は王の代わりの"偽者の王様"を祭りたて王と同様なる服を着せたのです。その"偽者の王"は人々に敬われ特別る名誉を与えられました。そしてその祭りの終わりには服を脱がされお役目終了とともに本物の王と交代します。(-これが人間であったか、はたまた作り物の人形のようなものであったかの記述はみつかりませんでした。)

ペルシャ人とバビロニア人はZagmukと似たようなSacaeaという祭典を催しました。この祭典には場所や地位の交換;奴隷が主人となりその主人が服従する事もありました。

ヨーロッパでは悪霊、魔女、化け物、トロール鬼など怖い者があると信じられていました。冬至になると人々は太陽が二度と顔を出さなくなるのかとさえ心配したようです。そして太陽が再び出てきた時に、喜びと感謝を持って迎えのための祭りをしたそうです。

スカンジナビア地方では、冬の間のほとんど太陽の姿がなくなり閉ざされた日が何日も続きます。太陽の姿がなくなってから35日後、偵察隊が山の上へ太陽の姿を探しに行きます。最初の光が現れた時偵察隊たちはよき知らせと共に村へ帰ることができ、村ではYuletideという壮大なお祭りとなりました。大薪で特別なご馳走をクリスマス前夜に用意しました。お祝いのかがり火も太陽の復活のために盛大に焚かれました。所によって人々はリンゴを木の枝に結び付け春と夏が来ることを願ったようです。今日ツリーにリンゴを飾るのは此処からきているようです。

古代ギリシャ人たちもメソポタミアン人が行ったZagmukやペルシャ人とバビロニア人が行ったSacaeaという祭のどちらにも似たお祭りで、ゼウスとチタンと戦いをした神のクロノスを支援したようです。

ローマ人たちは彼らの神であるSaturnを祝いました。この祭りは"Saturnalia"と呼ばれ、12月の半ばから始まり1月の1日に終わるものでした。"Jo Saturnalia"のために、祭りでは街での仮装行列があふれ、沢山のご馳走が振舞われ、友人を訪ねたり、"Strenae"というラッキーフルーツなどの幸運の贈り物を交換し合って過ごすという習慣がありました。

ローマ人たちはローレルの葉のガーランドや常緑の葉などで装い、主人とその使用人が地位を交換しあうこともされました。

"Jo Saturnalia"は楽しくローマ人にとってはかけがえのないイベントでした。しかしキリスト教徒たちにとっては、異教徒たちの行動が神にとって忌ま忌ましい事と思っていたのです。初期のキリスト教徒たちはキリストの誕生を神聖で厳かなこととして迎え、単にお祭り騒ぎをするだけでなく、宗教において重要な休日としたかったのです。

キリスト教の布教が進むにつれて、異教徒たちのお祭り騒ぎの習慣などを警戒するようになり、Saturnalia農神祭もやがて改心するようになりました。最初は教会がこのようなお祭り騒ぎを禁じましたが、実際の所お祭りの習慣は続き、次第にキリストのためのものと改編されていったのです。

いくつかのクリスマスの習慣はキリスト教徒たちが異教徒のお祭り騒ぎに対抗するものとして考え出されたとも言われてます。異教徒はローマ人だけでなく、ミトラ教(太陽神をあがめる宗教)を崇拝するペルシャ人もいました。キリスト教会はSaturnaliaなどの、きらびやかな照明、贈り物の習慣などを取り入れることに成功し、クリスマスのお祭り事として確立していったようです。

本当のところイェスキリストの誕生日など正確なものではないようです。ただこのキリストを祝うお祭りは98ADに始まり137ADにはローマ法王の下においてイェスキリストの誕生日と定められました。350ADにはローマ法王Julius一世により、12月25日をクリスマスとして守るべき儀式としました。

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