春 3月~4月、5月中旬ごろ

エリカ プリンセス・オブ・ウェールズ

エリカ 'プリンセス・オブ・ウェールズ' は少し長めの筒状の小さなお花がびっしりと枝についています。輸入ですが状態も良く先端までとても綺麗です。丈もそれほど長くないため持ちもよいと判断しました。ハーブや小花を集めたルーズなスタイルのタジマジブーケ用です。

エリカは荒地という意味のヒース(heath)とも呼ばれる低木で可愛い筒状の花が鈴なりにつきツツジ科のエリカ属に含まれます。切り花としてヨーロッパでは秋口から出回り、ドライになっても色褪せしないためクリスマスのリースなどに使われます。

ワックスフラワー クリスタルパール

今回は初めから状態が良くなくボロボロと落下。国産を探せばよかったのですが目の前にある束をピックアップしてしまいました。秋から早春にかけてオーストラリア産のものが流通しますが今の時期は注意が必要かもしれません。

オーストラリア西部原産。現地では4mにも達するお花です。uncinatumはラテン語で「引っかかる」という意味で、細い葉が絡まりどこかに引っかかりやすい事からとの事です。また蕾がつややかでまるでワックスがかかっているような花からワックスフラワーともよばれます。花びらはシングルかダブル、白、ピンク、ベージュなどあります。しっかりと水揚げすれば10日は長持ちしてくれます。今までは南半球からの輸入のため夏の間は入手できませんが、秋から春まではちょうど現地が暖かくなる頃流通があります。クリスマス時期はとても重宝してくれます。独特の匂いがありますが、それも魅力と感じます。この花は最初の水あげが難しいお花です。茎を斜めに深くカットしじっくりと水揚げが必要です。もし枝別れが多く葉も沢山つきすぎると感じる場合は少し整理するとよいと思います。

リューココリネ コキンペンシス

ひらひらと軽い白とブルーの複色のお花です。このお花も交配により沢山の品種があります。南米チリ原産の特有種。すらりとしたスレンダーな茎の先端に5弁の花びらを持つ花が4つから5つそれぞれが違う方向を向いて散形状に咲きます。芳香があり白、紫、紫に赤、ストライプが入るもの、複色など多数あります。コキンペンシスは中心部分は白地で外側に行くにつれ薄紫色。透明感ある優しい色合いのため、他の花を邪魔するほど主張はしてきません。一般的な事ですが交配品種の香は弱いですがこの品種は昔からあり、香りもかなり強く感じます。学名にあるLindl.は John Lindley 英国人の植物学者/蘭研究者(Orchidology)

ローズマリー

肉料理に使う強い香りを持つハーブです。西アジアから地中海沿岸の南ヨーロッパ、アフリカなどが原産地ですが、乾燥と寒さに強くいたるところで帰化種がみられます。太く葉も沢山ついているのですが、ちょっと主張が強く使いにくい所がありますが、今月は香りの花束 'Tuzzy Muzzy' を作るためハーブ類の一つとして入荷しました。切り花になると蒸れに弱く、しっかりとウォーターラインの葉を落とさないとあっという間に傷んでしまいます。少しのびのびとした空間のあるブーケにはよいと思います。紫色の小さな花が早春になるとびっしりと茎につきます。

ウエストリンギア / ウェストリンギア フルティコサ

オーストラリアの南部ニューサウスウェールズの海岸エリアが原産。乾燥や海からの潮風にも暑さにも強い植物で25種類ほど現地では自生しているそうです。ただし水揚げはかなり悪く短くしなければ難しいです。ローズマリーによく似ているためオーストラリアローズマリーと呼ばれますが、ローズマリーはマンネンロウ属となり属が異なります。葉も茎も繊細でシルバーグレーがとても美しいです。花は茎の頭頂に数個付きます。アレンジメントよりブーケに向きますが、最初の水揚げがとても重要です。

ナイフでシャープに茎をそぎ切りします。初回で水が上がらなければその後は厳しいです。