初夏

5月中旬~6月

デルフィニウム セレーノライトブルー

ほしかったサイズより細目でしたが、かなりよいお花でした。色も強すぎず優しい趣です。花もちはジャスト1週間。どのデルフィも指で数えたように一週間です。北海道などの寒い場所で栽培されており、あまり暑い季節では長持ちしません。湿度があがらない今頃が使い時!

ラクスパーとも呼ばれ300種類もあります。北半球に自生する植物で原産地は不明です。アフリカのトロピカルエリアの高い山麓など冷涼な気候を好むとの事です。一つの茎に穂状に花が付くタイプと枝分かれしているスプレータイプがあります。属名のデルフィニウムは古代ギリシャ語でドルフィン=イルカを意味する言葉から派生。花がイルカの形に似ているとの事から来たようです。似てますでしょうか? 薬草としての利用があったようですが有毒植物です。

下葉をすっきりと整理し絶対に水につかる部分に葉が残っている事がないようにして下さい。水はこまめに替えその都度茎を斜めに切り戻して下さい。少しの手間で水がしっかりと花まで行き届き美しく保てます。

デンファレ サナンホワイト

国産のデンファレを探していましたが巡り合いませんでしたので、タイからの輸入ものです。まだ咲いていない蕾が沢山ついていますが、小さいため咲くのは難しいと判断。日が経って途中で蕾が黄色く変色する可能性が高いので残念ですがすべて切り落としました。ギフトにいれるお花でしたのでここは厳しく判断です。

原種系の蘭デンドロビウム・ギバナムの交配種。デンドロビウム ファレノプシスの流通名ですが、花の形が胡蝶蘭に似ている事からこのように呼ばれています。ref: https://www.aos.org/orchids/additional-resources/dendrobium-culture.aspx

ステムが長い蘭は水が先端まで届きにくく管理が難しい花の一つです。もし花が付きすぎている場合はトップの小さすぎる蕾を数個カット、あるいは下の花を1~2輪整理するといささか長く楽しめます。切り分けてアレンジメントに利用すればすべての花に水が行き渡りますので有効的な利用法です。その際はステムをアレンジする前に30分程度水を吸わせコンディションを整えると張りが戻りよい状態となります。せっかく巡り合えたお花、大切に最後まで飾ってあげたいと感じます。

宿根スィートピー 白

今の時期はよく出回ります。今回はアレンジメントに入れるため、蔓が絡まない花だけの部分を入手しました。イタリア南部シチリアやクレタ島原産の花。ぷっくりとしたやや肉厚の花弁の宿根タイプは春本番桜の咲く頃から出回ります。可憐そうですが意外にも丈夫です。蔓性植物で、カールした蔓もまたユニークです。とても清楚で高貴さも感じ上品なお花です。小さい花ですのでグループにして使うのがよいでしょう。スズランなどと一緒に小ぶりのブーケに仕立てるととてもエレガントなウエディングブーケができます。

茎は丁寧に切りましょう。

ユリ オレンジエンペラー

OHユリ オリエンタル系のハイブリッドとの事です。大きなブーケを作るため目を捉える花が欲しかったのです。スィートなオレンジですが開花すれば間違いなく大きく花束が華やぎます。この'オレンジエンペラー'のよい所は花びらが開きすぎず上品なくらいの開花で止まります。大きくなりすぎずとても扱いやすかったです。

花瓶の水に浸かる部分の葉は取り除き、斜めに茎を切ります。普通に管理するだけでよいですがやはり大きい花は水を吸います。きちんと水量を確認してください。上部に葉が付きすぎている場合も少し間引くとよいです。水替えの度茎を切り戻し、枯れかかった葉や花はすぐに処分してください。花粉は服に着くと取れません。開花し花の色が出てきたら直ちに取り除いてしまいましょう。

世界中に分布。品種は100種類以上となっています。日本沖縄原産のロンギフローラム系、アジアテックハイブリッド、オリエンタル系ハイブリッドなどチョイスも広がりましたが、年代により流行もあります。種類についてはリリープロモーション・ジャパンに詳しく説明が載っています。

トルコキキョウ ボヤージグリーン

うっすらとグリーンがのっているリシアンサスです。名前は'ボヤージュグリーン'ですが開花してしまえば白と言う感じです。しっかりとした茎、葉も肉厚で花数もそこそこありました。今回はそれほど長い物ではなかったのですが、ブーケの中央に配置しようと思いましたので十分でした。

北米 ワイオミング州南東部、ネブラスカ、テキサス南部やメキシコなどミシシッピ川とロッキー山脈の間の草原地帯が原産。現地で咲いていた花はうす紫色、テキサス・ブルーベルという愛称で親しまれてきました。日本での交配が進み花はシングル咲き・ダブル咲き色も白、グリーンかかった白、クリーム、優しいオレンジピンク、優しい黄色、紫と白の複色があったりととても豊富です。気温の高い時期にありがたいお花です。よい物でしたら5輪も6輪も一枝につきますので華やかになります。アレンジメントにもブーケにも向きます。

水に浸かる部分の葉はきちんと処理をしましょう。小さなカケラでもバクテリア発生の原因になります。もともとは初夏のお花ですが、今は栽培により一年中入手が可能です。

シャクヤク サラベル

'サラベル'と呼ばれていますが、'サラ ベルナルドまたはベルナールSarah Bernhardt' がこの花の正式な名前です。豪華な八重咲の桃色品種で大きく開き香りもあります。毎年5月中旬の今の季節しか出回らないのでお届けのお花としてご用意しました。

芍薬も茎が長く花にもボリュームがあるため水揚げが難しい植物です。私は蕾の時に色が出ていて少し開きかけた花を買い、かならず深水で水あげをします。葉が多く付いている場合は水につかる部分を処理し、湿らせた新聞紙にくるんで水あげをするのもよいです。また茎を炭化するまで焼きすぐに水につける方法や化学処理もありますが、新鮮なものは特別な処理は必要ありません。

カンパニュラ チャンピオンスカイブルー

この花を使ったのがいつだったか思い出せないほど昔です。ベル状の大きな花が一つの茎からいくつもついていますが、全体のシルエットはすらりと縦長です。花は見た目も実際のウエィトも軽めです。大きなブーケ作りを予定していましたので、扱いやすそうでちょうどよい花材かと思い購入しました。現在レッスン終了後10日過ぎでやっとこのコメントを書いているのですが、この花は花がまだ上向きに咲いています。びっくりです。これだけ長持ちだったという印象はなかったのですが、きっと手にした方々もずいぶん長持ちすると思っているに違いありません!このお花の品種改良に携わった方々に感謝です。

フランス南部からイタリアにかけてが原産地だそうです。最近は四季咲の庭の花として人気で種が出回っています。色は白系、ピンクに紫、濃い紫色もあります。広い庭が欲しいですね! 他の花同様水に浸かる葉はすべて取り除き、茎を斜めに切ってください。お水を取り替えるたびに切り戻しをかけましょう。

デルフィニウム 'オーロラブルー'

目が覚めるほどの濃い目のブルーです。こんな強いブルーを使うのは久々のような気がします。コントラストが出るブーケに用意しました。最初に選んだオレンジ色の花がとても強い色でしたので、ブルーも強い色を選びました。大きなブーケに使いますので映えると思います。花もちはジャスト1週間。どのデルフィも指で数えたように一週間です。北海道などの寒い場所で栽培されており、あまり暑い季節では長持ちしません。湿度があがらない今頃が使い時!

ラクスパーとも呼ばれ300種類もあります。北半球に自生する植物で原産地は不明です。アフリカのトロピカルエリアの高い山麓など冷涼な気候を好むとの事です。一つの茎に穂状に花が付くタイプと枝分かれしているスプレータイプがあります。属名のデルフィニウムは古代ギリシャ語でドルフィン=イルカを意味する言葉から派生。花がイルカの形に似ているとの事から来たようです。似てますでしょうか? 薬草としての利用があったようですが有毒植物です。

下葉をすっきりと整理し絶対に水につかる部分に葉が残っている事がないようにして下さい。水はこまめに替えその都度茎を斜めに切り戻して下さい。少しの手間で水がしっかりと花まで行き届き美しく保てます。

ドドナエア

ドドナエアはオーストラリア・アフリカや亜熱帯エリアに広く分布していますが、原産地はオーストラリアとされています。葉はやや細長くオリーブのような感じ。カサカサとして月桂樹の葉を少し柔らかくしたようなテクスチャー。触れればホップの実が風に揺れる時のカサカサした音も発します。水あげはあまりよくなく細い茎を深く斜めに切り込みました。やや水は多いほうがよさそうです。丈夫そうですがデリケートな面もあります。葉の色が季節によりあまり変わらないものはDodonaea 'viscosa'、寒くなると銅葉に変化するものDodonaea'Purpurea'、こちらはニュージーランドで発見されたとされています。常緑樹で春から夏にかけては緑色で、目立たない小さな花が4月に付きそのあとグリーンの小さな実もつき、夏ごろにはやがて豆のさやのようなものに変化し趣があり、近年庭木として人気のようです。ホップブッシュというニックネームがあります。独特なテクスチャーの為手触りでこの植物を覚えていました。レッスンでの利用は2回目です。ちょうど一年前に生徒さんとレッスン中にこの植物の事を調べていました。

https://gardenstory.jp/plants/10273
https://www.yu-kikobo.com/plants/47316/

ニゲラ

花は大きな羽状のガクに囲まれ一重の軽い花びらを付けます。この軽さと野性的な雰囲気がたまらなく好きです。花びらは可憐で4~5日したら散ってしまいますが、そのあとそのままにしておくと種の部分が膨らんできます。その変化も楽しいんです!4月から5月上旬までは一般家庭のお庭でも咲いています。

シリアのダマスカスや地中海沿岸あたりで自生するキンポウゲ科の花。薄いブルー、ピンク、白などのバリエーションがあります。和名はクロタネソウ、花名のNigellaはラテン語で黒という意味の'Niger 'から来ているとの事で、シードポットの中にできる真っ黒な種の事を指しています。ブーケに入れるとなかなかワイルドな趣になり、アレンジメントではつなぎの花として大いに活躍してくれます。